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トルコ語を勉強する

トルコ語を勉強しています。研究に専念する義務があるので、トルコ語に関する論文を読んで要旨や感想を書いてみたり、トルコ語に関する興味深い刊行物があれば紹介してみたり、単語帳作ってみたり、そういうことをします。以前はタタール語についても少し書いていました。

トルコ語の頻度順辞書について

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トルコ語の頻度順辞書について

つい先日、Routledgeからトルコ語の頻度順辞書が発売されました。もちろんハードカバーだけでなく、ペーパーバック、CD-ROM版、電子書籍版も利用できます。電子書籍だと現在たったの£30.09ですからお買い得です。

Routledge: A Frequency Dictionary of Turkish

Amazon.com: A Frequency Dictionary of Turkish (Routledge Frequency Dictionaries)

最近Routledgeではこうした頻度順辞書のシリーズが出ています。このトルコ語の頻度順辞書は TNC (Turkish National Corpus) をもとに作られたそうで、最もよく使われる5000語が掲載されています。TNCは規模はそこまで大きくありませんが、よく計画されたコーパスですので、妙な偏りはないんじゃないかなあと思っています。

構成としては、語釈はごくシンプルですが、いちいち例文とその英訳が付されていて、読んでいるだけでも楽しいものになっています。テーマ別語彙集(シソーラス)もコラム形式で提供されているし、もちろんアルファベット順の逆引きもあるし、品詞別索引までついているので、さまざまな利用法が考えられます。

さて、これまでトルコ語の頻度順辞書が全く無かったかというと決してそんなことはなくて、今世紀のものでもたとえば、トルコ言語協会出版で刊行された Yazılı Türkçenin Kelime Sıklığı Sözlüğü であるとか、あと私もよく利用させてもらっている TSCorpus の頻度リストとか。日本でも最近大部の文法書を出されたアブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ氏が 頻出度順トルコ語基本一〇〇〇語(用例付) を刊行したりしています。

このような頻度順辞書を利用することで、より質の高い語学書や教科書をつくることが可能になるでしょう。ただ、特に学習用に配慮されているわけではなく、たとえばaçı(角度)などは明らかにaçısından(~という点から)という後置詞的表現としての用法が圧倒的で、純粋に「角度」という意味で用いられる例はずっと少ないと思いますが、高い順位にランクインしていたりします。したがって初学者は1000語のギュルベヤズ本のほうが使いやすいと思いますが、中級者以上の方でだいたい代表的な文法要素は覚えました、というような方は、たとえばExcelで処理するなりして Anki で利用してみたりしても面白いかもしれません。
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