本日もトルコのニュースを紹介します。
■Sputnik Türkiye 9.30■
Sputnik Türkiyeはロシアの政府系ニュースサイト「スプートニク」のトルコ語版です。露土関係の機微をうかがうにはうってつけの情報源と思い、毎日「Türkiye」カテゴリの記事を抜粋して紹介しています。
9月30日は17件の記事を紹介します。
Erdoğan’ın Lozan açıklamasına Yunanistan’dan sert tepki
エルドアン大統領のローザンヌ条約に関する発言に対して、ギリシャから厳しい反論が飛び出している。条約に対する批判は、2国間の国境の正当性に疑義を投げかけるものであり、ギリシャの島々に対する権利の主張である由。
Erdoğan, yaverini çakıyla sınamış
7月15日の16日前、エルドアン大統領が現在収監中のクーデター未遂首謀者アリ・ヤズジュ大佐に「折り畳みナイフ」を渡し、試していたことが発覚した。(以下で詳述します)
'Rusya ile Suriye'de 'karşı karşıya gelmeyi önleyici' temaslar yapıyoruz'
高官筋によると、シリアにおけるロシアとの「衝突回避」交渉が行われているとのこと。具体的には「我々はここでこのような作戦を行う、攻撃目標はこれこれである、場所はここであるから、ここには入らないでくれ、あるいはお互いに接触しないようにしよう」という形での交渉を行っている由。
Rus Dışişleri: Türkiye-Suriye sınırında gereken koşullar henüz oluşmadı
スロモトロフ露外務副大臣は、ロシアがトルコーシリア国境を監視する要件がまだ整っていないと述べた。
Türkiye yurt dışındaki ilk askeri üssünü Somali'ye kurdu
トルコは、国外で初めての軍事基地をソマリアに建設した。トルコがソマリアとの「安全保障産業協力合意」の一環として建設したもので、軍事訓練基地としてソマリア兵を訓練する予定。
Rusya: Türkiye'nin Suriye'yle ilgili tekliflerini incelemeye hazırız
メシュコフ露外務副大臣は、トルコがシリア停戦に関して提出した協力案の精査に入るとのこと。
iPhone 7 ve Apple Watch 7'nin Türkiye'de satışa sunulacağı tarih belli oldu
米アップル社のiPhone 7およびApple Watch 2のトルコでの発売日が明らかになった。通信会社Turkcellが行った書面発表によると、Turkcellが10月7日以降に取り扱う予定という。
Büyükelçi Yenel: Vize tartışmasında çözüm yakın
トルコのEU大使セリム・イェネル氏は、トルコ国民のEUビザ不要化についての議論は解決が近いだろうと述べた。
HDP'li Pir, Erdoğan'a 2004'te Yunanistan'a kaybedildiği söylenen adaları sordu
HDPのピル議員は、エルドアン大統領のローザンヌ条約についての発言に関して、「エルドアンとて2004年にエーゲ海の16島をギリシャへと譲渡したではないか」とTwitterで厳しく批判した。このニュースはTRT Haberが2012年報道したもので、以前はトルコ、ギリシャ間で共有状態にあった16島がギリシャ軍の手に落ちるのを、EU加盟交渉のために見逃した由。
CHP ve MHP'den Erdoğan'a Lozan tepkisi
エルドアン大統領のローザンヌ条約に関する発言に、CHPおよびMHPから反応が挙がっている。CHPのギョク議員、MHPのアクチャイ議員によると、大統領のこの発言の目的は政界に議論を巻き起こし、議事内容を変更させることにあるという。
Türkiye'nin en yaşlı 3 ili belli oldu
10月1日世界老人の日に合わせて世界老化評議会のケマルアイドゥン会長が声明を出し、トルコに「国際老化研究センター」を設立したので、ここで老化に関する相談や教育活動を進めていきたいと述べた。また、トルコで最も長寿の県はチャンクル県、カスタモヌ県、スィノプ県(註:いずれもアンカラの北、黒海地方)であり、当地の気候や水が長寿の秘訣という。
Türkiye ve Suudi Arabistan arasında yeni işbirliği: Çankaya'da imzalar atıldı
クルトゥルムシュ副首相は、チャンカヤ宮殿でサウジアラビア王家のAdil Zeyd et-Turayfiと二者会談を行った。会談後、両者はTRTとサウジの放送協会SBCの間で協力
49 aşiret lideri 'İngilizler para verdi' iddialarını yalanladı
旧国会の前に集まったクルドの49の部族の長たちは、「イギリス人がクルドの部族に資金を渡した」という主張は無根拠であり、この種の報道を非難する旨発表した。
Kılıçdaroğlu: AKP’nin El Nusra’ya desteği devam ediyor
CHPのクルチダルオール党首は、トルコにある外国報道機関の代表者らと集会を行った。党首はそこで、AKP政権がアル=ヌスラ(現シリア征服戦線)の支援を継続していると主張した。
Kürtçe yayın yapan radyo OHAL kapsamında kapatıldı
シャンルウルファ県で通常はクルド語で放送を行っているRadyo Karacadağが、非常事態宣言下で出されたKHKによって閉鎖された。22年の歴史を持つラジオ局に警官らの捜査が入り、ラジオ局の閉鎖が宣言され、放送機器や音楽のアーカイブを含むデジタルデータ、書類などが押収された。
Erdoğan'dan Suudi Prensi'ne 'Cumhuriyet Nişanı'
エルドアン大統領は、公式訪問中のサウジアラビアのVeliaht王子、第一副首相で内務大臣のMuhammed bin Nayif bin Abdulaziz Al Suud氏に「共和国勲章」を授与した。両国関係の将来に対する多くのメッセージが込められているという。
Kılıçdaroğlu'ndan Erdoğan'a: Nutuk'un ilk 30 sayfasını okusun yeter
CHPのクルチダルオール党首は、エルドアン大統領のローザンヌ条約に関する発言に対し、「ムスタファ・ケマル・アタテュルクの演説Nutukを読みなさい。すべて読まなくてもいいから、最初の30ページを読めば十分です」と述べた。このほか「非常事態宣言を続ける必要はない」や、また逃亡中の「空軍担当イマーム」アーディル・オクスュズ氏に関して「全てを綿密に調査せねばならない。誰かが保護していないとこんなことにはならない。背後に強力な組織があって、彼を守っている。捕まえる前に殺されてしまう可能性もある」などと語った。
■本日の感想■
本日も基本的にエルドアン大統領の「失言」についての記事が人気でしたが、一方で露土関係についての記事もたくさん出ていました。閲覧数は少ないですが、クルド語についての記事もあったので紹介しています。
■ピックアップ記事■
エルドアン大統領とヤズジュ大佐のやりとりが興味深かったため訳出して紹介します。
見出し「
エルドアン、副官をナイフで試していた」
ギュレン教団の7月15日クーデター未遂の16日前、エルドアン大統領は、現在収監中のクーデター未遂犯で副官のアリ・ヤズジュ大佐に「ナイフ」を差し出して試していたことが発覚した。
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とその副官の間で交わされたやりとりは、副官の大佐の供述で発覚した。ハベルテュルク紙のビュレント・アイデミル氏の記事が、大統領と副官の間で交わされたやりとりを次のように伝えた。
エルドアン大統領は、イフタール(=断食明けの食事)の1時間前にヤズジュ副官を大統領室に呼び出し、封筒を手渡し、開けるよう求める。封筒に自分についての文書が入っていると思った副官がためらい、封筒開けを見つけられないでいると、エルドアン大統領が彼に赤い柄の小さなポケットナイフを差し出して「取ってこれで開けなさい」と言う。ヤズジュ副官が封筒を開ける。エルドアン大統領は、紙を取り出して読むよう求める。ヤズジュ副官の動揺はさらに高まる。しかし文書が自分と関係のないものだとわかると、深い息をつく。封筒を開けたナイフを大統領に差し出したヤズジュ副官は、「君が持っていろ、必要だろう」という返事をもらう。
副官の様子はどうか
エルドアン大統領と副官のあいだのこのやり取りが安全保障のテストだったのかどうかははっきりしないが、その後のギュレン教団員らの様子とアプローチは、彼らがどれほど強い陶酔を得たのかを示している。同日、イスタンブルのイェシルキョイで起こったテロのために、エルドアン大統領は大統領府で安全保障サミットを開催した。
会議には参謀長官のフルスィ・アカル大将も参加した。アカル大将が大統領府に入るときに出迎える役目を担ったアリ・ヤズジュ副官は、自分付きの当番兵に「行ってあの参謀総長を連れて来い」などと囁くが、その後自らアカル参謀総長を出迎える。
「大統領府にも入りこんでいた」
エルドアン大統領がその日のイフタールで語ったギュレン教団に関する発言も注目すべきものだった。「以前私は、虎穴に入るぞと言った。入ったら何が起きたか。ある者はペンシルバニアへと逃げ、ある者はヨーロッパへと、ある者はまた別の場所へと逃げた。逃亡者の数は1000人に迫る。大統領府にも入り込んでいたが、その者どもはいまだに居る。その者どもに関しても働きかけている。言っておこう、自ら辞職して去って行く者達よ、どこへでも行かば行け。しかしここは汚させんぞ、と」
「チョルルに任命されていた」
クーデター未遂後に収監された筆頭副官のアリ・ヤズジュは検察局での供述において、4月にチョルル砲兵連隊司令部に任命されていたことを明らかにし、「大統領殿の望む時にチョルル砲兵連隊司令部へ行く予定でしたが、7月15日の日付において任務を遂行しました」と述べていた。
以上。
記事への感想、苦情、またもう少し詳しく知りたいニュースなどありましたらコメントにて。